確定申告・税金
副業の住民税はいくら?申告方法と「自分で納付」の手順
フクミツ編集部|2026-04-16 公開|最終更新: 2026-04-19
この記事の結論
- ●住民税は副業所得が1円でも発生すれば原則申告が必要(所得税の20万円ルールとは別)
- ●確定申告書で「自分で納付」を選ぶと、副業分の住民税納付書が自宅に届く
- ●納付タイミングは原則6月・8月・10月・翌1月の年4回(自治体により異なる)
副業を始めると気になるのが住民税の扱いです。「20万円以下なら申告不要」と思っている方も多いですが、これは所得税の話で、住民税は別ルールです。本記事では、副業の住民税の計算方法、申告手順、納付方法を、自治体・総務省の公式情報を元に解説します。
副業の住民税はいくらかかる?
住民税の税率は、所得割10%(市町村民税6%+道府県民税4%)に均等割(約5,000円)を加えた額が一般的です。自治体によって若干の違いがあります。
副業所得が10万円なら住民税は約1万円、30万円なら約3万円が目安です。これは「副業分だけ」の追加負担で、本業の給与所得とは別計算で増えます。
計算式(簡略化):
副業の住民税 ≒ 副業所得 × 10%
実際には基礎控除や各種所得控除があるため、副業所得が小さい場合はもう少し低くなります。正確な金額は自治体の住民税シミュレーターか、確定申告ソフトで試算できます。
20万円以下でも住民税の申告は必要
「副業所得が20万円以下なら確定申告不要」というルールは、所得税についてのものです。住民税にはこの特例がなく、副業所得が発生したら原則として申告が必要です。
なぜ違うかというと、所得税は「源泉徴収+年末調整」で本業分の納税が完了している前提で、副業分の追加申告を簡素化するために20万円ルールが設けられています。一方、住民税は前年の所得を元に翌年に課税される仕組みで、自治体が個別に課税額を決めるため、すべての所得を把握する必要があるからです。
所得税の確定申告をすれば、申告データが自治体に共有されるため、住民税の申告は別途不要になります。確定申告を「しなかった」場合のみ、自治体に直接住民税申告書を提出する必要があります。
住民税申告の3パターン
副業の住民税申告は、以下のどれかのパターンになります。
【パターン1】副業所得が20万円超:確定申告(所得税)を行う → 住民税は自動的に申告される
【パターン2】副業所得が20万円以下:確定申告は任意 → 住民税のみ自治体に直接申告が必要
【パターン3】医療費控除など他の理由で確定申告:副業所得を金額に関わらずすべて申告 → 住民税も自動申告
パターン2の場合、自治体の窓口で「住民税申告書」を提出します。多くの自治体ではオンライン申告にも対応しています。書式や提出方法は自治体によって異なるため、お住まいの自治体のウェブサイトで確認してください。
「自分で納付」(普通徴収)への切り替え方
副業分の住民税を会社の給与から天引きせず、自分で納付したい場合は、確定申告書で「普通徴収」を選択します。
手順は以下の通りです。
1. 確定申告書 第二表の「住民税に関する事項」欄を確認
2. 「給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」で「自分で納付」にチェック
3. 申告後、5〜6月頃に自宅に納付書が届く
4. 納付書を使ってコンビニ・口座振替・ネットバンキングなどで納付
これにより、本業の給与から天引きされる住民税は本業分のみとなり、会社の経理に副業の存在が伝わりにくくなります。
注意点として、自治体によっては「給与所得者は全員特別徴収」を方針としており、普通徴収を選んでも適用されない場合があります。確実を期すなら、確定申告後に自治体の住民税課に電話で確認しましょう。
納付タイミングと納付方法
普通徴収の住民税は、原則として年4回に分けて納付します。
・第1期:6月末
・第2期:8月末
・第3期:10月末
・第4期:翌年1月末
納付書には4期分の用紙と、一括納付用の用紙が同封されています。納付方法は以下から選べます。
・コンビニ払い(バーコード付き納付書)
・銀行・郵便局の窓口払い
・口座振替
・ネットバンキング(Pay-easy)
・スマートフォン決済アプリ(PayPay、LINE Payなど。自治体により対応状況が異なる)
・クレジットカード(自治体により対応)
口座振替を申し込んでおくと、納付忘れを防げて便利です。
納付書が来ない・額が合わない場合
申告したのに納付書が届かない、または金額に違和感がある場合は、自治体の住民税担当課に問い合わせましょう。
よくある原因:
・申告書の不備で受理されていない
・特別徴収に切り替えられている(普通徴収を希望したが認められなかった)
・納付書の送付先住所が古い
・申告内容と自治体の把握データに差がある
納付書が届かないからといって放置すると、延滞税が発生する可能性があります。早めに自治体に確認することが重要です。
税制の細かい解釈や個別事情の判断については、税理士または自治体の税務窓口に相談するのが確実です。
よくある質問
Q. 住民税の申告期限はいつですか?
確定申告と同じく、毎年2月16日から3月15日が原則です。住民税のみの申告(パターン2)の場合、自治体によって若干異なる場合があるため、お住まいの自治体に確認してください。
Q. 住民税の申告をしなかったらどうなりますか?
後日、自治体から指摘を受けて遡って課税されます。延滞税や加算金が発生するほか、悪質と判断されると重加算税の対象にもなります。少額でも申告するのが基本です。
Q. 副業が赤字の場合、住民税はどうなりますか?
事業所得として申告し、本業の給与所得と損益通算が認められれば、住民税も減額されます。雑所得の場合は損益通算できないため、住民税の減額効果はありません。
Q. ふるさと納税をしている場合の住民税は?
ふるさと納税の控除額は住民税からも引かれます。ワンストップ特例を使っている場合、副業の確定申告をすると特例が無効になるため、寄付金控除を確定申告で改めて申請する必要があります。
Q. 前職の住民税が引かれている時期に副業を始めた場合は?
前職分と副業分は別計算です。前職の住民税は引き続き納付しつつ、副業分は翌年から課税されます。複雑になる場合は税理士に相談するのが安全です。
参考リンク
- 総務省:個人住民税
個人住民税の制度全般に関する公式情報
- 総務省:住民税の特別徴収・普通徴収
徴収方法の違いと選択方法の公式解説
- 国税庁:確定申告書等作成コーナー
住民税の徴収方法を選択できる確定申告書の作成ツール
