確定申告・税金副業の住民税はいくら?申告方法と「自分で納付」の手順
フクミツ編集部|2026-04-16 公開|最終更新: 2026-06-07
この記事の結論
- ●住民税は副業所得が1円でも発生すれば原則申告が必要(所得税の20万円ルールとは別)
- ●確定申告書で「自分で納付」を選ぶと、副業分の住民税納付書が自宅に届く
- ●納付タイミングは原則6月・8月・10月・翌1月の年4回(自治体により異なる)
副業を始めると気になるのが住民税の扱いです。「20万円以下なら申告不要」と思っている方も多いですが、これは所得税の話で、住民税は別ルールです。本記事では、副業の住民税の計算方法、申告手順、納付方法を、自治体・総務省の公式情報を元に解説します。
副業の住民税はいくらかかる?
住民税の税率は、所得割10%(市町村民税6%+道府県民税4%)に均等割(約5,000円)を加えた額が一般的です。自治体によって若干の違いがあります。
副業所得が10万円なら住民税は約1万円、30万円なら約3万円が目安です。これは「副業分だけ」の追加負担で、本業の給与所得とは別計算で増えます。
計算式(簡略化):
副業の住民税 ≒ 副業所得 × 10%
実際には基礎控除や各種所得控除があるため、副業所得が小さい場合はもう少し低くなります。正確な金額は自治体の住民税シミュレーターか、確定申告ソフトで試算できます。
副業所得別・住民税の早見シミュレーション
あくまで目安ですが、副業所得ごとの住民税の追加負担を整理すると次のようになります(所得割10%・均等割は本業で課税済みの前提、控除は簡略化しています)。
・副業所得20万円 → 住民税の目安 約2万円
・副業所得50万円 → 住民税の目安 約5万円
・副業所得100万円 → 住民税の目安 約10万円
これは「副業分だけ」の追加で、本業の住民税に上乗せされるイメージです。実際には基礎控除や社会保険料控除などが影響するため、これより低くなることもあります。
より正確に試算したい場合は、お住まいの自治体が公開している住民税シミュレーターや、確定申告ソフトの試算機能を使うと、控除を反映した金額を確認できます。所得が大きくなりそうな場合は、早めに試算して納税資金を分けておくと安心です。
20万円以下でも住民税の申告は必要
「副業所得が20万円以下なら確定申告不要」というルールは、所得税についてのものです。住民税にはこの特例がなく、副業所得が発生したら原則として申告が必要です。
なぜ違うかというと、所得税は「源泉徴収+年末調整」で本業分の納税が完了している前提で、副業分の追加申告を簡素化するために20万円ルールが設けられています。一方、住民税は前年の所得を元に翌年に課税される仕組みで、自治体が個別に課税額を決めるため、すべての所得を把握する必要があるからです。
所得税の確定申告をすれば、申告データが自治体に共有されるため、住民税の申告は別途不要になります。確定申告を「しなかった」場合のみ、自治体に直接住民税申告書を提出する必要があります。
副業所得が20万円以下で住民税を申告しないとどうなる?
結論から言うと、20万円以下でも住民税の無申告は避けたほうが安全です。所得税の20万円ルールは住民税には適用されないため、申告漏れとして扱われる可能性があるからです。
申告しなかった場合に起こりうること:
・後日、自治体が所得を把握して遡って課税する(過去分をまとめて請求されることがあります)
・本来の納期を過ぎた分に延滞金が加算される場合がある
・取引先やASPが支払調書を提出していると、自治体側に副業収入のデータが残り、無申告が判明しやすい
「少額だから気づかれないだろう」と考えるのはリスクがあります。クラウドソーシングやASPは支払記録を残しており、自治体はそうした情報と照合できる立場にあります。金額が小さくても申告しておくほうが、結果的に安心です。
判断に迷う場合は、お住まいの自治体の住民税担当課か税理士に相談すると確実です。
住民税申告の3パターン
副業の住民税申告は、以下のどれかのパターンになります。
【パターン1】副業所得が20万円超:確定申告(所得税)を行う → 住民税は自動的に申告される
【パターン2】副業所得が20万円以下:確定申告は任意 → 住民税のみ自治体に直接申告が必要
【パターン3】医療費控除など他の理由で確定申告:副業所得を金額に関わらずすべて申告 → 住民税も自動申告
パターン2の場合、自治体の窓口で「住民税申告書」を提出します。多くの自治体ではオンライン申告にも対応しています。書式や提出方法は自治体によって異なるため、お住まいの自治体のウェブサイトで確認してください。
住民税申告書の書き方と必要書類(パターン2の人向け)
確定申告をせず住民税のみ申告する場合(前述のパターン2)は、お住まいの自治体に「住民税申告書」を提出します。書き方の流れは次の通りです。
1. 自治体のウェブサイトか窓口で住民税申告書を入手する
2. 氏名・住所・本業の給与収入(源泉徴収票の金額)を記入
3. 副業の収入と必要経費を記入し、所得金額を計算する
4. 「自分で納付(普通徴収)」を希望する欄にチェック
5. 控除(社会保険料・生命保険料など)があれば記入する
用意しておくとスムーズな書類:
・本業の源泉徴収票
・副業の収入がわかるもの(支払調書、取引明細、入金記録など)
・経費の領収書・レシート
・各種控除の証明書
・マイナンバーカードなど本人確認書類
様式や記入例は自治体ごとに異なります。記入方法で迷ったら、自治体の住民税担当課に問い合わせると、その場で確認しながら記入できます。
「自分で納付」(普通徴収)への切り替え方
副業分の住民税を会社の給与から天引きせず、自分で納付したい場合は、確定申告書で「普通徴収」を選択します。
手順は以下の通りです。
1. 確定申告書 第二表の「住民税に関する事項」欄を確認
2. 「給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」で「自分で納付」にチェック
3. 申告後、5〜6月頃に自宅に納付書が届く
4. 納付書を使ってコンビニ・口座振替・ネットバンキングなどで納付
これにより、本業の給与から天引きされる住民税は本業分のみとなり、会社の経理に副業の存在が伝わりにくくなります。
注意点として、自治体によっては「給与所得者は全員特別徴収」を方針としており、普通徴収を選んでも適用されない場合があります。確実を期すなら、確定申告後に自治体の住民税課に電話で確認しましょう。
納付タイミングと納付方法
普通徴収の住民税は、原則として年4回に分けて納付します。
・第1期:6月末
・第2期:8月末
・第3期:10月末
・第4期:翌年1月末
納付書には4期分の用紙と、一括納付用の用紙が同封されています。納付方法は以下から選べます。
・コンビニ払い(バーコード付き納付書)
・銀行・郵便局の窓口払い
・口座振替
・ネットバンキング(Pay-easy)
・スマートフォン決済アプリ(PayPay、LINE Payなど。自治体により対応状況が異なる)
・クレジットカード(自治体により対応)
口座振替を申し込んでおくと、納付忘れを防げて便利です。
納付書が来ない・額が合わない場合
申告したのに納付書が届かない、または金額に違和感がある場合は、自治体の住民税担当課に問い合わせましょう。
よくある原因:
・申告書の不備で受理されていない
・特別徴収に切り替えられている(普通徴収を希望したが認められなかった)
・納付書の送付先住所が古い
・申告内容と自治体の把握データに差がある
納付書が届かないからといって放置すると、延滞税が発生する可能性があります。早めに自治体に確認することが重要です。
税制の細かい解釈や個別事情の判断については、税理士または自治体の税務窓口に相談するのが確実です。
よくある質問
Q. 住民税の申告期限はいつですか?
確定申告と同じく、毎年2月16日から3月15日が原則です。住民税のみの申告(パターン2)の場合、自治体によって若干異なる場合があるため、お住まいの自治体に確認してください。
Q. 住民税の申告をしなかったらどうなりますか?
後日、自治体から指摘を受けて遡って課税されます。延滞税や加算金が発生するほか、悪質と判断されると重加算税の対象にもなります。少額でも申告するのが基本です。
Q. 副業が赤字の場合、住民税はどうなりますか?
事業所得として申告し、本業の給与所得と損益通算が認められれば、住民税も減額されます。雑所得の場合は損益通算できないため、住民税の減額効果はありません。
Q. ふるさと納税をしている場合の住民税は?
ふるさと納税の控除額は住民税からも引かれます。ワンストップ特例を使っている場合、副業の確定申告をすると特例が無効になるため、寄付金控除を確定申告で改めて申請する必要があります。
Q. 前職の住民税が引かれている時期に副業を始めた場合は?
前職分と副業分は別計算です。前職の住民税は引き続き納付しつつ、副業分は翌年から課税されます。複雑になる場合は税理士に相談するのが安全です。
Q. 副業の住民税を申告していない人も多いと聞きますが、申告しなくても問題ありませんか?
「周りも申告していない」という声は見かけますが、未申告は後日の課税や延滞金につながる可能性があり、おすすめできません。副業所得は支払元の記録から把握されることがあるため、少額でも申告しておくほうが安心です。個別の判断は自治体の窓口や税理士に確認してください。
Q. 普通徴収を選んだのに特別徴収になってしまうのはなぜですか?会社に副業を知られない方法はありますか?
自治体が「給与所得者は特別徴収を原則とする」方針の場合、普通徴収を希望しても認められないことがあります。確定申告後に住民税担当課へ電話で相談すると、対応可否を確認できます。確実な方法を断定することはできませんが、申告書での普通徴収選択と自治体への事前確認が現実的な手順です。
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